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総括(全文) 入札事件後10年の市の信頼回復に向けた取り組みについての総括 | 立川市

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(1)

平成25年12月

(2)

《総括にあたって》

平成15年10月に発覚した入札事件から10年が経過しました。この間、市では、

職員が一丸となり再発防止と市民からの信頼回復のために全力を傾けてきました。

しかし、時間の経過とともに事件の記憶はいつの間にか薄れ、事件後に入庁した職員

が3分の1近くを占めている今、ともすると、遠い過去の出来事となってしまい、それ

と同時にコンプライアンスという

「心の箍

(たが)

が緩んでしまうことに危機感を覚え

ます。

職員一人一人が、事件と事件から得た教訓を風化させることなく、トップである市長

を先頭に、市民全体の奉仕者として、常に強い使命感、倫理観を持ち、市のコンプライ

アンスをさらに強固なものにして、これからの行政運営を進めていくため、事件後10

年の節目に、事件の概要及び背景、事件後の市の信頼回復の取り組み等を総括してまと

めました。

立川市が新たなる決意を持って次のステージに進むにあたり、手元に置き、折にふれ

(3)

目次

第1 入札事件後10年を迎えての思い ... 1

1 理事者 ... 1

2 第三者委員会 ... 4

第2 入札事件の概要、背景 ... 6

1 事件の概要 ... 6

2 事件発生の背景... 7

(1) 組織管理の問題... 7

(2) 人事をめぐる問題... 7

(3) 理事者のリーダーシップの問題 ... 8

(4) 市長の「指示」の有無の問題 ... 8

(5) 議員の口利き・働きかけの問題 ... 8

(6) 委託業者をめぐる問題 ... 8

(7) 水道工事以外の談合疑惑の問題 ... 9

第3 事件後の取り組み... 9

1 107項目の改善施策の策定と市民等による評価体制の構築及び情報公開... 9

(1) 立川市入札事件再発防止調査委員会の設置と活動 ... 9

(2) 107項目の改善施策 ... 10

(3) 市民等による改善施策の評価体制の構築 ... 10

(4) 市民・業者等への情報公開 ... 11

2 コンプライアンス体制の確立 ... 11

(1) 職員倫理条例の制定やコンプライアンスマニュアルの策定等 ... 12

(2) コンプライアンスの推進と人事制度の見直し ... 13

(3) 危機管理体制等の整備 ... 17

(4) 事件後5年の総括... 17

(5) コンプライアンスの現状分析及び対策 ... 18

(6) コンプライアンス強化策 ... 19

3 入札・契約制度改革... 22

(1) 公共調達基本方針の策定 ... 22

(2) 競争入札参加事業者倫理綱領の策定 ... 23

(3) 基準・ガイドライン等の整備 ... 23

(4) 入札・契約制度の改善や整備 ... 24

(5) チェック体制の強化 ... 36

(6) 立川市入札等監視委員会の設置 ... 37

(7) 工事品質の確保・向上 ... 37

(8) 委託契約の改善... 39

(9) その他 ... 39

(4)

1 取り組みの成果と課題 ... 40

(1) 取り組みの成果... 40

(2) 課題 ... 41

2 今後の決意 ... 41

資料編... 43

1 5年目の新たなる決意~入札事件を風化させない~ ... 45

2 立川市の入札・契約制度改革の方向について(意見具申) ... 68

(5)

第1 入札事件後10年を迎えての思い

1 理事者

◆立川市長

清水

庄平

市と市民の名誉のために

あの忌まわしい入札事件から10年が経ちます。水道工事に絡む不正入札事件は

4人もの職員の逮捕者を出し、職員全体に対する市民の目は大変厳しいものがあり

ました。

この間、外部の第三者で構成される入札等監視委員会、コンプライアンス推進委

員会の設置や職員倫理条例の制定など、

再発防止に向けた体制を構築してきました。

また、入札制度そのものの改革を継続して行ってきた結果として、今では識者か

ら全国トップレベルにあると言われる内容にまで充実してきたところです。

しかし、いくら制度やルールを作っても、それを運用するソフトウエア即ち、私

たち職員自身が二度と過ちを犯さないという「覚悟」を持って業務にあたらなけれ

ば、それらは十分に機能することなく、マイナス作用の弊害が大きくなってしまい

ます。

立川市は近年、多摩地区の盟主とまで言われるように充実発展してきました。市

民や他団体からの信頼、期待に応えるためにも、コンプライアンス遵守を鉄壁の意

思を持って維持し、さらなる発展を持続していかなければなりません。

事件発生から10年を迎え、

「事件を風化させず、二度と起こさず」の誓いを新た

(6)

◆立川市副市長 大霜 俊夫

現代社会は価値観が多様化した社会と言われています。その背景には高度化した社会経済

システムが、人々の生活を多様な形態で営むことを可能にした側面もあると考えています。

この様な時代にあって、市職員として何を基軸として行動するか、何を行動規範にするか

は大変難しい話かもしれません。

しかし、「地方公共団体は、住民の福祉の増進を図ることを基本」にしていることは地方

自治法に謳われている紛れもない事実であります。

平成15年の事件は入札に端を発していますが、その原点は納税者である市民の負託に応

えない行為であることが原因であると考えております。

事件及びその後の経過について、その詳細を知る職員が定年退職などで職場を去っていく

のは時間の持っている宿命であります。

しかし、事件そのものが残した本質的な命題は引き継いでいかなくてはなりません。

市職員としての行動規範への問いかけには常に答え続けなくてはなりません。

事件当時を知るものの一人として皆さんにこれだけはお伝えしたいと思うことを記してお

きます。

事件は当事者のみでなく市職員全体への信頼を失わせたこと、議会及び多くの市民を落胆

させたこと、そしてその信頼を回復してもらうためにどれだけ多くの時間を必要としたかと

いうことなどであります。

このことを裏返して言えば、市行政は多くの市民の信頼のもとに成り立っている証左と言

えるし、市職員とはその信頼なくしては業務を満足に遂行できないということにほかなりま

せん。

価値観の多様化とよく言われますが、このことの価値は揺るがないものと考えています。

市民の信頼にどのように応えていくか、このやり方で本当に良いのだろうかと懐疑するこ

とが「凛として行動する職員」の基盤と考えています。

以上、事件後10年を経過した今日の自分と皆さんに語りかけています。

◆立川市副市長 木村 信雄

事件が起きた平成15年という年は、私にとって生涯忘れることのできない厳しい年であ

ったと記憶しています。

当時の私は、昭島市に所在する一部事務組合に派遣されていたため、事件が起きたあとも

「大変なことが起きてしまったな」との意識は持っておりましたが、正直、第三者的な立場

で見ていた自分を思い出します。これは恐らく関係する一部の部・課職員を除いて同様では

なかったでしょうか。

その後、急遽契約課長を命じられましたが、机の中も書類を保管する戸棚の中も関係する

書類は警察に押収されていたためすべてカラの状態、日常業務を進める上でも支障があり、

(7)

当時の職員がどういう状況、経過で逮捕、起訴されたかは数回にわたる裁判を傍聴する中

で少しずつわかってきましたが、「同僚あるいは上司の逮捕、そして裁判の傍聴・・・」これ

は辛く寂しいものです。

私自身も警察からの依頼により、狭い取調室で調書の作成に協力いたしましたが、時間が

経つのは早いもので、そういった記憶も薄れてきています。

当時は「組織風土」といった言葉もありましたが、人間は弱い生き物だと感じます。なぜ、

周りの人が注意することができなかったのか、一言声をかけていたらどうなったのか、これ

は誰にもわかりません。

今、言えることは二度とこうした事件を起こしてはならないということです。

相談することができる風通しの良い職場環境の整備、そして、もう一度自分を見つめ直し、

事件を風化させることなく広い視野と判断力を持って行政執行にあたっていただきたいと考

えます。

◆立川市教育長 小町 邦彦

あの重苦しい職場の空気はいまでも鮮明に覚えています。私は、平成16年4月に商工課

長から企画政策課長として異動してきました。その前年度に発覚した不正入札事件に対する

対応に企画政策課全体が振り回されていました。しかも同じ市役所の仲間が起こした事件で

あり、内容が明らかになればなるほど気が重くなりました。その当時は議会も事件解明のた

めの特別委員会を毎月開催しており、そのための資料作成に追われていました。日々の業務

に加えて、毎晩遅くまで残業して、会議のテープ起こしなどの資料作成業務を続けることは、

どれだけ組織全体を疲弊させたことか(そのテープの中で繰り返し語られるのは、市行政に

関する不信そのものでした)。

また、当時は、第2次基本計画の策定の真っ最中で、この中でも市民委員の皆さんの市行

政への不信感は根強く、未来計画など語っている場合かとの厳しい意見も噴出しました。こ

のままだと市民会議そのものが空中分解するのではと、大変悩みながら仕事を進めたことを

思い出します。このような現場の混乱は、庁内いたるところで起きていました。特に市民と

接する窓口職場では、市民から連日厳しい叱責の声にさらされたと聞いています。

このようにいったん壊れた信頼関係は、莫大なエネルギーや時間をかけなければ修復でき

ません。こんな現場を知る職員も年々少なくなってきています。しかし、事件の教訓を語り

継ぐことはできます。そして誠実な仕事を通して、市民との信頼関係を積み上げることはで

きます。このコツコツと積み上げた信頼関係を基に協働によるまちづくりを市民と力を合わ

せて推進することこそが、この事件を経験した今の私たちに必要な取り組みではないでしょ

うか。

(8)

2 第三者委員会

◆立川市職員倫理審査会 会長、立川市契約・倫理制度改革評価委員会 委員長 二上 護

平成15年秋、立川市職員が談合関与で逮捕されたという報道に接し眉をひそめました。

立川市から再発防止調査委員会の委員に依頼され、今は亡き深田源次弁護士を代表とするプ

ロジェクトチームとして市職員のヒアリング調査などを行い、職場のあり方、入札契約制度

の改善提案を含む報告書をつくりました。業者から職員への贈り物、働きかけ、職場への立

ち入り、不適正な人事、古い組織風土が残っていることに驚き、当初は市の対処に疑問をも

ちましたが、まもなく、その改革への決意はなみなみならぬものであることを確信するにい

たりました。

立川市は、体制を整備し、入札・契約制度全般の改革を着実にすすめ、他市からも注目を

受け、平成23年には三菱総研の報告に基づき改革をコンプライアンス全般にまで拡大して

今日にいたっています。

この10年間にはまことに大きな前進がありましたが、職員の入れ替わりもあります。事

件当時の無念の思いを皆のものとし、「二度と事件を起こしてはならない」という決意を持続

させ、市職員が自発的にコンプライアンスに取り組み、市民とこれを共有することが求めら

れています。

この10年目の総括が、新たな大きな歩みの礎となることを心から祈念しております。

◆立川市入札事件再発防止施策評価委員会 委員長 滝島 秋生

(立川市入札事件再発防止調査委員会 副委員長)

事件が起きた平成15年という年は、立川市自治会連合会の改選期で、10年間続いた杜

下氏より私が引継いだ年であり、新庁舎建設100人委員会や基本計画策定に向けた市民委

員会が発足し、市民参加元年と云う節目の年であり、自治会連合会からも多くの委員を派遣

し、市民参加が本格化した年でもあり、また庁内では組織改革が行われておりました。

当時、国や地方公共団体での不正入札事件が多く報道されている時に、立川市の職員が入

札妨害、贈収賄罪で逮捕されると云う不祥事が発生した。

市ではこの事件を受け直ちに入札事件再発防止調査委員会を設置し、原因の究明と再発防

止策の検討に入りました。

この委員会の構成は助役が委員長で総務部長が副委員長となり、市職員7名と外部委員と

して3名(自治連新旧会長2名、顧問弁護士1名)の10名で10月16日にスタートし、

数回の委員会を開催している中で、調査委員会副委員長が逮捕されると云う事態を受けて、

行政主導で実施して来た委員会を第三者主導に変更するため委員会構成を大幅に改革し、外

部委員6名、市職員3名とし、副委員長は外部より選出され、また弁護士5名、監査法人1

名が加わり、15名体制で本格的な原因究明と再発防止策の検討が行われた。

(9)

構築」を総括意見として市長に提出した。

今回の事件は、立川市の組織風土を背景に、総務部の一握りの職員が起こしたものですが、

市役所全体に大きなダメージを与え、また市民の行政への信頼感を大きく傷つけ、職員相互

の信頼感を失いました。

平成16年度よりスタートしたコンプライアンス体制確立や制度の抜本改革等の実施によ

り “新しい組織風土の立川”創造に向けて邁進される事を御期待申し上げます。

◆立川市入札等監視委員会 委員長 鈴木 満

入札等監視委員会10年の歩み

平成16年のある日、立川市の澤部長(前教育長)と宮崎課長(現議会事務局長)のお二

人が桐蔭横浜大学の私の研究室を訪れ、「二度と不祥事を起こさないために入札制度改革を断

行したいので協力してほしい」と申し出た。これを契機として、私の立川市入札制度改革の

お手伝いが始まった。

入札等監視委員会は、長野県や横須賀市の入札制度改革の成果を活かしつつ、立川市独自

の仕組みも取り入れながら改革を行ってきた。その一例を挙げれば以下のとおりである。

第一 指名競争入札を廃止し、誰でも一定の能力があれば入札に参加し得る一般競争入札

を原則とする。

第二 市内に競争性を確保し得るだけの業者数が存在する場合は市内業者が優先的に入札

に参加できる仕組みとするが、競争性を確保するのに十分な数が存在しないときは隣接市等

の施工可能業者が入札に参加できるようにし、競争性を確保する。

第三 入札参加者が提示した入札価格を基に最低制限価格を設定する「変動型最低制限価

格制度」を導入し、“くじ引き”を防止するとともに、落札価格の過度な低落を防止する。

第四 債務負担行為を活用して複数年契約を増やす、小規模案件を取りまとめて発注規模

を大きくするなど、受注業者にとって魅力的な発注案件に仕立てて競争性を高める。

これら「立川方式」とも称すべき入札制度改革によって、①市民が支払った税金がどのよ

うに使われるかが見えるようになり、②競争性が確保されて税金が効率的に使われるように

なり、③税金が恣意的ではなく客観的に支出されるようになり、④税金が政治家や公務員の

ために使われることがなくなった。すなわち、「納税者主義4原則」がかなり実現し、今や、

立川市は入札制度改革の先進自治体の一つとなっていると言っても過言ではない。

しかし、入札制度改革に終わりはない。入札等監視委員会は、今後も常に納税者の目線で

(10)

第2 入札事件の概要、背景

入札事件の概要及び背景について、平成16年9月1日に市がとりまとめた「総括報告書

競売入札妨害・贈収賄事件」及び、平成20年11月作成の「5年目の新たなる決意~入札

事件を風化させない~」より、以下に抜粋して記載する。

1 事件の概要

平成15年10月、本市において競売入札妨害・贈収賄事件※が発覚した。当時の部長職・

課長職にあった者と嘱託職員(元砂川支所長)が、水道工事発注を巡る指名競争入札の談合

に関与し、偽計入札妨害の疑いがあるとして4名が逮捕、内3名が起訴され、それぞれ有罪

判決を受けたものである。

※競売入札妨害・贈収賄:偽計又は威力を用いて、公の競売又は入札の公正を害したり、公務員がそ の職務に関し、賄賂を贈収受し、要求をしたり約束をしたりすること。

逮捕者 判決・処分

総務部長 懲役1年6月(執行猶予3年)競売入札妨害罪

契約課長 懲役1年(執行猶予2年)競売入札妨害罪

課長(元工事契約係長) 不起訴処分

嘱託職員 懲役3年(執行猶予5年・追徴金685万円)競売入札妨

害罪・収賄罪

裁判の経過の中で明らかにされた、事件の基本的構造を端的に表現すると、水道工事の業

界で行われていた長期的かつ組織的談合に、部長、課長、係長といった職位にある入札・契

約関係の市中枢の職員が加担したものである。

公訴事実は、これら職員が共謀し、談合に加担し、指名手続きを行ったと述べられており、

職務の中では、元嘱託職員の呼び出し、食堂など目立たない場所での面談、係長へはメモを

見せて、書き取らせ、指示して起案させ、課長が決裁印を押し、入札執行伺書等が作成され

た。その後、確認の電話を入れたり、業者に連絡するなどの行為が繰り返されていた。そう

して業者選定委員会への提案など、まさに委員を騙すに等しい行為等が堂々と行われていた

のである。

このように、不正行為が勤務時間中、起訴されなかった職員までをも使い、職場の中で行

われていたことは重大である。

起訴された職員は、「入札の公平さを害し、市政の信頼を傷つけたその責任は重大である」

などとして、執行猶予(2年ないし5年間)つきながら1年から3年の懲役刑の判決が下され

た。なお、これら3人の職員に対しては、判決前に懲戒免職の処分を行った。

また、起訴はされなかったが、情報漏示等を認めた管理職3人及び係長1人には減給の懲

(11)

2 事件発生の背景

事件の構図は単純ではなく、その背景には、本市における組織的あるいは組織を取り巻く

独特の風土ともいうべきものが、長年かつ根深いものとして存在したということを看過して

はならない。

事件は、立川市の入札の公正性が害されただけでなく、幹部職員が長年にわたり、これを

実行し、しかも日常業務の中で行い、疑惑の指摘にも反省するところがなかったという、極

めて重大な事件である。

市として、司直の摘発があるまで防止できず、結果として放置してきたことは、これを厳

粛に受け止めなければならない。

以下、事件発生の背景や主な疑惑とされる、(1)組織管理の問題、(2)人事をめぐる問

題、(3)理事者のリーダーシップの問題、(4)市長の「指示」の有無の問題、(5)議員の

口利き・働きかけの問題、(6)委託業者をめぐる問題、(7)水道工事以外の談合疑惑の問

題について記述する。

(1) 組織管理の問題

事件の基本的構図から明らかになったように、事件の発端は職員個々人の公務員として

の著しい倫理観の欠如に原因するところが大きい。

市組織全体のコンプライアンス(倫理・法令遵守)体制の欠如があったことも事実であ

り、単に個人の資質や個人の責めに帰すだけで終わらせてはならないし、そのような姿勢

では再発防止など到底望めない。

この現実を市組織全体が深く認識し、厳正に対処していかなければならない。

職場の中に、業務のチェック体制や自由な話し合い、上司に対して的確に報告・連絡・

相談するといった職場づくりの基本ができていない実態も明らかにされたことは、組織管

理の課題として極めて重く受け止める必要がある。

また、前述のとおり、事件当事者の職員らの不正行為等が市庁舎内において勤務時間内

に行われており、先に指摘した、これら職員の倫理観の欠如のほか、その職務専念義務に

違反した職員を管理・監督する責任も強く問うものである。

(2) 人事をめぐる問題

職員実態ヒアリング調査での職員の「人事」に対する受け止め方をみると、「不適切な人

事配置」や「不公正さ」を感じる者が多いとされている。

事件当事者の供述でも「左遷で地位を失う危惧」等、「人事」に対する不安・影響力が述

べられているが、「人事」をめぐっては、過去に「議員への昇任依頼や議員への口利き謝礼

等のうわさ」があるとして、議会で質問が出たこともある。

人事異動に際しても「なぜ、あの人が」という声や、「腹心」「派閥」人事ではないかと

の声も聞かれた。こうしたうわさの背景には、「幹部職員人事に市長と議員との関係が影響

していたのではないか」との調査委員会報告書の指摘があることなどを鑑みると、一部、

(12)

任を問わなければならない。

(3) 理事者のリーダーシップの問題

理事者のトップである市長は、任命権者として人事権を有している。また、日常業務を

はじめ、市政運営の最終的な決定権とともに管理監督者責任があり、強いリーダーシップ

が求められている。

今回の事件では、調査委員会報告書においても、「これら人事のあり方や業務管理にかか

る市長のリーダーシップについては、様々な指摘があることから、これを真摯に受け止め、

猛省を求めたい」と指摘されている。

これは、市長をはじめ理事者のリーダーシップのあり方が根本から問われている証であ

り、その責任は重大である。

(4) 市長の「指示」の有無の問題

元契約課長の公判で、被告は「市長からの指示という総務部長の言葉でやってしまった」

と陳述しており、裁判長はその判決で「被告は知り得る限りを詳細に裁判で話し、解明と

行政の浄化に資することが少なくなかった」とした。

これに対して、市長は市議会における公判に関する質疑の中で「私は1回として元総務

部長にメモを渡すとか、指示をした覚えはない」と明確にそれらの事実を否定している。

こうしたメモの存在が確認できないことや指示が行われたかどうかについて、両者の発

言は対立しており、今回の総括にあたっては、その事実は資料不足のこともあり、解明で

きなかった。

(5) 議員の口利き・働きかけの問題

職員実態ヒアリング調査では、職員455人中、約2割の職員が市議会議員から働きか

けを受けたと答えている。

公判での証言にもあったが、事件当事者から押収されたノートには議員からの連絡をメ

モしたと思われるものが散見された。アンケート調査でも当事者しか知りえない情報・証

言があり、議員の口利き・働きかけは相当数あり、日常化していたと認めざるを得ない。

一方、議会はこうした事態を深刻に受け止め、議論を重ね、議員立法による「政治倫理条

例」を制定するに至ったことを特記しておきたい。

(6) 委託業者をめぐる問題

委託業者をめぐっては、公判での元契約課長の証言があり、「委託業務関係の社長から面

談を要請され、指名業者選定の指図を受け、その際、談合に加担しない業者、いわゆるも

ぐり業者、指名から排除してほしいとする者のリストを渡された」とあるが、この社長は

市側の事情聴取に対して「勉強しているので資料が欲しいと元契約課長から請われて出し

たもの」と証言している。当該文書は押収文書には存在せず、また、証拠品としての提出

(13)

元契約課長の弁として開陳された話と当該社長の話とでは、その受け止め方のニュアン

スが大きく違っており、真偽のほどは定かでない。

しかし、元総務部長の押収書類の中には「もぐり業者等」を記載したリストが存在し、口

利き、働きかけ等の行為が従来から行われていたことを十分伺い知ることができる。

このような事実行為は、如何なる釈明がなされようとも、許されるものではなく、業者

と職員とのこのような接触は疑惑の温床となるものであり、厳に慎むべきであることは言

うまでもない。

なお、一連の落札状況をみると、長期間継続して特定業者が予定価格に近似した価格で

落札している等、競争原理が働いた形跡が見られず、公正性と経済性が損なわれていたの

ではないかと推測される事例もある。

以上のことから、この件も含めて、職員に対する業者等からの口利きや圧力の存在を否

定することはできなかった。

(7) 水道工事以外の談合疑惑の問題

公判では、「土木建築工事関係は○○議員」「全ての業界で談合が行われている」といっ

た証言がなされ、本事件以外にも談合疑惑があるとされている。

落札率の推移をみれば、水道工事以外の分野においても、かなり以前から談合を疑わせ

るような不自然な高値落札の状態が続いていたことが認められる。

従来、行政がこうした事態に的確に対応できなかったことは、組織体制を含めた入札事

務の執行管理上の責務として大きな課題を残した。

第3 事件後の取り組み

1 107項目の改善施策の策定と市民等による評価体制の構築及び情報公開

(1) 立川市入札事件再発防止調査委員会の設置と活動

市は、事件発覚の翌日に立川市入札事件再発防止調査委員会の設置を決定。平成15年

10月16日に委員会を設置し、事件の原因究明と再発防止策について調査及び協議検討

を進めた。

当初の委員会の構成は助役を委員長に、市職員7名、市顧問弁護士1名、外部委員2名

(自治会連合会から)の10名体制であった。

その後、職員や業者等の実態及び入札・契約をめぐる問題点等についての調査・分析に

おける専門性の確保のため、専門委員として、3弁護士会から弁護士5名と監査法人から

公認会計士1名の参加を求め、第9回委員会から委員として活動に加わった。

平成16年1月16日、当時の総務部長(委員会副委員長)が逮捕されるという事態を

受け、第2次基本計画策定市民会議の声明等もあり委員構成を大幅に変更し、外部委員6

名、専門委員6名、市職員3名の15名体制とし、副委員長も外部委員から選出するとと

もに、非公開であった委員会の会議も公開することとした。

委員会は、①関係者からのヒアリング、②入札・契約事務にかかる問題点の調査・分析、

(14)

みの視点から調査・検討を行い、17回に及んだ会議の検討結果と専門委員等が実施した

各調査・アンケート結果等を基に、平成16年5月26日、「改善のための施策の手順等」

82施策101項目と「市民等による改善施策の評価体制の構築」4項目の合計105項

目を総括意見としてまとめ、市長に提出した。

(2) 107項目の改善施策

市は、入札事件再発防止調査委員会から提言された、コンプライアンスマニュアルの策

定や研修の実施、ガイドラインの見直しと運用の厳格化、入札結果等の監視、契約事務に

おける内部牽制の確保等105項目を基に検討を進め、平成16年8月30日、「コンプラ

イアンス(倫理・法令遵守)を推進するための考え方や体系等を示した基本方針の策定」、

「コンプライアンス(倫理・法令遵守)の推進や検証のための検討組織の設置」の2項目

を追加して107項目の入札・契約制度改革施策※をまとめた。この施策に基づいて、2

年間の実施時期を定め、透明性・競争性の高い入札・契約制度の実現に向けた改革に取り

組むこととした。

※概要は立川市ホームページ「公正で透明性・競争性の高い入札・契約制度改革を進めるために 入札・契約制度改革施策一覧(市の改善策)」で確認のこと。

http://www.city.tachikawa.lg.jp/cms-sypher/www/service/detail.jsp?id=3221

(3) 市民等による改善施策の評価体制の構築

入札・契約制度や倫理・法令遵守等改革施策全般についての進捗状況チェックや評価・

提言のために、平成16年11月1日、立川市職員倫理審査会、立川市入札事件再発防止

施策評価委員会、立川市入札等監視委員会の3委員会及び、それら三つの委員会の情報共

有、意見交換等の場として3委員会の委員全員をメンバーとした合同委員会である立川市

契約・倫理制度改革評価委員会の全部で四つの第三者委員会を設置した。

なお、立川市入札事件再発防止施策評価委員会については、2年間にわたり107項目

の改革施策の進捗状況チェックを行い、当初の目的を達成したとして、平成20年11月

26日、4年間の任期満了をもって解散したが、元委員は引き続き3委員会の合同委員会

である立川市契約・倫理制度改革評価委員会委員として活動している。

ア 立川市職員倫理審査会

・市民と弁護士等の専門委員5名

・役割

①「働きかけ」等の審査

②贈与等の審査

③警告等

イ 立川市入札事件再発防止施策評価委員会

・市民10名

・役割

(15)

②市に対する助言・提言等

※平成20年11月26日の任期満了をもって解散

ウ 立川市入札等監視委員会

・弁護士等専門家3名

・役割

①入札・契約の運用状況等のチェック

②入札・契約制度改革の審議

③談合情報対応

④市に対する助言・提言等

エ 立川市契約・倫理制度改革施策評価委員会

・上記3委員会の合同委員会

・上記3委員会の委員全員18名で構成

・役割

①入札・契約制度改革及びコンプライアンス施策全般の点検・確認

②市に対する助言・提言

図1 第三者委員会の構成

※平成20年11月26日まで

(4) 市民・業者等への情報公開

入札事件の再発防止と市民からの信頼回復に向け、入札・契約制度改革の公平・公正性、

透明性の向上を図ることを目的に、市民や事業者等に対する積極的な情報公開を進めるた

め、入札事件関連、入札・契約制度改革の検討内容や進捗状況、要綱・基準等、入札情報

及び経緯結果、入札参加停止事業者、第三者委員会の会議録等を本庁舎市政情報コーナー

で公開するとともに市ホームページや市広報を活用して公表している。

2 コンプライアンス体制の確立

平成15年10月に発覚した競売入札妨害・贈収賄事件以降、コンプライアンス体制を確 職員倫理審査会

契約・倫理制度

改革評価委員会

[入札事件再発防止施策評価委員会※]

(16)

立するため、次の取り組みを行った。

(1) 職員倫理条例の制定やコンプライアンスマニュアルの策定等

ア 立川市職員倫理条例の制定と立川市職員倫理審査会の設置

市職員は市民全体の奉仕者であり、一部の市民・業者の利益に偏る職務遂行はあって

はならないことから、職務遂行の公正・公平・中立を確保するため、「立川市職員倫理条

例」を制定するとともに、平成16年11月1日「立川市職員倫理審査会」を設置した。

(ア) 立川市職員倫理条例

職務執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為を防止し、公務に対

する市民の信頼を確保するとともに、職員の職務に係る倫理を保持するために、平成

16年11月1日に「立川市職員倫理条例」を施行した。

なお、同年8月1日には、「立川市議会議員政治倫理条例」が施行された。

(イ) 立川市職員倫理審査会

立川市職員倫理条例に基づき、職員の公正な職務の遂行を妨げる行為や職員に対す

る贈与等について審議するほか、職員の倫理保持に関する調査研究及び企画を行うた

めに、弁護士3名と市民2名で構成する「立川市職員倫理審査会」を設置した。

イ 各種ガイドブックの整備

(ア) 立川市職員倫理条例・規則ガイドブック(接待・贈答ガイドライン)

職員が市民全体の奉仕者として職務を公正に遂行し、市民の信頼と負託に応えるた

めには、立川市職員倫理条例及び同規則を正しく理解することが不可欠であることか

ら、条例・規則の趣旨や内容、ルール等を解説したガイドブックを平成16年11月

に作成した。

(イ) 立川市職員コンプライアンス読本

本市では、コンプライアンスを「倫理・法令遵守という概念に加え、市民全体の奉

仕者として求められる価値観・倫理観に基づいて誠実に行動することによって、市民

の信頼を得て、公正な市政運営を実現すること」と定義し、その実現のための具体的

な15の行動規範を定めた「立川市職員コンプライアンス読本」を平成18年11月

に作成した。

職員一人一人が、この行動規範を実践することによって、市民の信頼を得て、公正

な市政運営の実現を目指している。

ウ 懲戒処分の指針の策定

懲戒処分が、厳正かつ公正に行われるよう、処分を決定するに当たっての代表的な事

例と標準的な処分量定を定めた「立川市職員の懲戒処分の指針」を平成19年4月1日

に施行した。

この指針は、組織秩序の確保はもとより、職員が指針の趣旨を踏まえ、公私の別なく

市民全体の奉仕者として市民の信頼や負託に応えるよう最善を尽くすことを期待したも

(17)

(2) コンプライアンスの推進と人事制度の見直し

ア 立川市職員コンプライアンス推進委員会の設置

職員の倫理・法令遵守の保持及び推進を図るため、2名の副市長が委員長及び副委員

長を務め、部長職全員が委員となっている「立川市職員コンプライアンス推進委員会」

を平成18年5月1日に設置した。

その下に、委員長が指示した事項を処理するため「立川市職員コンプライアンス推進

部会」を設置した。

なお、コンプライアンスの保持と情報セキュリティの確保は密接に関連しており、そ

の対策を同一の場で検討することが効率的、効果的であると判断して、平成25年5月

に「立川市職員コンプライアンス・情報セキュリティ合同部会」を設置した。

イ 立川市コンプライアンス・業務点検月間の実施

入札事件の風化を防止するとともに、職員一人一人がコンプライアンスの視点から業

務を点検・見直しをするために、コンプライアンス・業務点検月間を平成17年度から

実施している(表1参照)。

なお、当初1週間であった実施期間を平成20年度から1か月に拡大した。

表1 コンプライアンス・業務点検月間の各年度実施内容

平成17年度実施内容

標語

○見直そう 仕事の内容・心のチェック

○守ります 倫理と法令 築きます 信頼ある市政運営

研修

○一般職員研修「自治体職員にとってのコンプライアンス」

○管理職研修「公務員の職務犯罪・裁判員制度について」

○情報セキュリティ研修「情報資産を守る」

市民PR ○広報、庁内掲示、駅前ビジョンへの掲示

職員周知

○市長訓示

○標語を表示したカードの携行を指示

○グループウェアによる周知

○チェックシートによる自己点検実施

○職場研修の実施促進

座談会

○立川市入札事件再発防止施策評価委員会委員(元立川市入札事件再発防止調

査委員会委員)の5名の市民と市職員により実施

・事件発生のころを振り返っての感想

平成18年度実施内容

標語

○見直そう 仕事の内容・心のチェック

○守ります 倫理と法令 築きます 信頼ある市政運営

研修

○一般職員研修「自治体職員にとってのコンプライアンス」

○管理職研修「公務員の非行防止について」

(18)

市民PR ○広報、庁内掲示、駅前ビジョンへの掲示

職員周知

○市長訓示

○コンプライアンス読本の作成

○グループウェアによる周知

○チェックシートによる自己点検実施

○職場研修の実施促進

座談会

○立川市入札事件再発防止施策評価委員会委員の5名の市民と市職員により

実施

・入札事件再発防止施策評価委員会委員に就任した当初の感想

・入札事件再発防止施策評価委員会委員としてチェックしてきた感想

・いろいろな改革施策や四つの第三者委員会についての感想

・これからの市に期待すること

平成19年度実施内容

標語

○まあいいか 心の緩みが 致命傷

○忘れない 心のネジを 日々点検

研修

○一般職員研修「自治体職員にとってのコンプライアンス」

○管理職研修「自治体のコンプライアンスと管理職の役割」

○情報セキュリティ研修「情報流出事故を防ぐための研修」

市民PR ○広報、庁内掲示、駅前ビジョンへの掲示

職員周知

○市長訓示

○グループウェアによる周知

○チェックシートによる自己点検実施

○職場研修の実施促進

平成20年度実施内容

標語

○まあいいか 心の緩みが 致命傷

○忘れない 心のネジを 日々点検

研修

○管理職研修「コンプライアンス・危機管理」

○情報セキュリティ研修「事例から学ぶ情報セキュリティ対策」

市民PR ○広報、庁内掲示、駅前ビジョンへの掲示

職員周知

○市長訓示

○グループウェアによる周知

○入札事件やその後の取り組みについてまとめた「5年目の新たなる決意~入

札事件を風化させない~」を作成

○アンケート機能によるチェックシート自己点検実施

重点取組

事項

○情報管理の一層の徹底を図るために、市政アドバイザーによる職場巡視を実

○事件の風化を防ぐために、「5年目の新たなる決意~入札事件を風化させな

(19)

平成21年度実施内容

標語

○「このくらい」 心のスキにご用心

○その仕事 市民に説明できますか?

研修

○管理職研修「自治体の危機管理とマスコミ対応」

○情報セキュリティ研修「立川市情報セキュリティ」

市民PR ○広報、庁内掲示、駅前ビジョンへの掲示

職員周知

○市長訓示

○グループウェアによる周知

○コンプライアンス実態調査アンケートの実施

重点取組

事項

○「窓口・電話対応調査」の指摘事項について、各職場で改善に向けた話合い

を実施

○会計事務の適正化や、内部通報制度の職員への周知徹底を実施

平成22年度実施内容

標語

○「このくらい」 心のスキにご用心

○その仕事 市民に説明できますか?

研修

○管理職研修「危機管理研修」

○情報セキュリティ研修「内部監査について」

市民PR ○広報、庁内掲示、駅前ビジョンへの掲示

職員周知

○市長訓示

○グループウェアによる周知

重点取組

事項

○各課で、業務上起こり得るコンプライアンス上の事例をあげ、その対応策を

グループ討議(課内研修)

○全職場を対象に「窓口・電話応対調査」を実施。優良自治体の目安とされる

75点を目標として接遇の改善に取り組んだ(「心機一転、アクション75」)

平成23年度実施内容

標語

○点検しよう 日常業務と心のゆるみ

○市民の信頼築くのは 小さな日々の一歩から

研修

○情報セキュリティ研修

○契約事務説明会

市民PR ○広報、庁内掲示、駅前ビジョンへの掲示

職員周知

○市長訓示

○グループウェアによる周知

重点取組

事項

○業務におけるコンプライアンス違反・グレーゾーン・不安な部分について、

職場で話合いを実施

○コンプライアンスに関するルールの納得性について、職場で話合いを実施

○委託事業者(三菱総合研究所)が職場訪問し、業務についてコンプライアン

ス上の問題がないか確認を実施

○コンプライアンスに関する疑問や不明点、違反事例等について、専用メール

(20)

平成24年度実施内容

標語

○点検しよう 日常業務と心のゆるみ

○市民の信頼築くのは 小さな日々の一歩から

研修

○管理職研修「コンプライアンス研修」

○情報セキュリティ研修

市民PR ○広報、庁内掲示、駅前ビジョンへの掲示

職員周知

○市長訓示

○グループウェアによる周知

重点取組

事項

○出先職場のコンプライアンスの状況把握、コンプライアンス意識と業務意欲

向上のため理事者による職場訪問を実施

○各職員が自席で倫理条例・規則について学ぶコンプライアンスセルフチェッ

クをパソコンにより実施

○M-shellモデル※を用いた事例研究を各職場で実施

※ヒューマンエラーは、複数の要因が影響して起きるものという考え方に基づき、当事者を取り囲む、失敗 が発生する原因となる四つの要素を表したモデル。

平成25年度実施内容

標語 ○慣れとミス ダブルチェックで 防ぎましょう

研修

○管理職研修「官製談合防止研修」

○一般職員研修

市民PR ○広報、庁内啓発ポスター、駅前ビジョンへの提示

職員周知

○市長訓示(係長職を対象に直接)

○グループウェアによる周知

重点取組

事項

○コンプライアンス意識アンケート

○危機管理連絡票事例集を読み、再発防止策に基づき、具体的にどのような対

応を行ったかを、課内で共有し、事例を報告する

ウ 人事制度の見直し

職員の能力や実績、適性等を的確に把握するとともに、処遇や人事配置に反映する仕

組みを整備して、人事制度の透明性や公正さを確保し、職員が職務に専念し、能力を最

大限発揮できる環境を整えるために、次のとおり人事制度の見直しを行った。

(ア) 管理職候補者選考試験・短期主任選考試験

平成16年度から昇任試験制度を導入した(表2参照)。

表2 昇任試験制度の概要

試験区分 導入のねらい

管理職候補

者選考試験

管理職にふさわしい能力や資質を有するものを客観的かつ公平に選考する

(21)

短期主任

選考試験

能力・意欲のある職員を主任職に早期に任用することにより、組織の活性

化と職員のモチベーションの向上を図るために導入

(イ) 人事考課

職員の能力や実績、意欲・態度を公正に評価し職員のモチベーションを向上させる

とともに、人材育成を図るために人事考課制度を拡充した。

●課長職:平成13年度から試行を開始、平成16年度に目標管理による業績評価を

加え、平成22年度から本格実施とし、評価結果を翌年度の勤勉手当の支給率に反

映している。

●係長職:平成19年度から試行を開始し、人事考課結果については、管理職候補者

選考試験や人事異動等の参考資料として活用している。

●主任職:平成22年度から試行を開始し、人事考課結果については、人事異動等の

参考資料として活用している。

●主事職:平成25年度から試行を開始し、人事考課結果については、人事異動等の

参考資料として活用している。

(ウ) ジョブローテーション

同一職場に長く在籍することの弊害を排除するために、原則として3~5年の周期

で人事異動を実施するほか、異動に際して職員の能力や適性、意欲等を考慮したきめ

細かな人事配置を行う等、納得性の高い人事管理に転換した。

また、幅広い視野と職務遂行能力の高い職員を育成するために、事務系の職員を対

象に採用後10年間をジョブローテーション期間と定め、管理部門、窓口部門、事業

執行部門に属する各職場を経験できるように異動を行っている。

(3) 危機管理体制等の整備

ア 内部通報制度の導入

組織の自浄作用を働かせて不正行為の未然防止と早期発見を促し、市民の信頼を高め

るために、法令違反行為や、そのおそれがある場合に、職員等(職員や委託業者等)が

通報できる内部通報制度を平成18年11月1日に導入した。

この制度では、内部通報者は不利益な取り扱いを受けないように保護されている。

通報窓口は法令監察員(弁護士)2名と法令遵守対策室(行政管理部総務課)の3か

所となっている。

イ 管理職からの誓約書の提出

平成17年4月から、コンプライアンスを遵守する旨が書かれた誓約書への署名を管理職

に義務付けた。内容は、自ら範を示してコンプライアンスを実践し、部下の指導にあたるこ

とを誓約したものである。

(4) 事件後5年の総括

(22)

化してしまわないように、入札事件発覚後5年目の節目に、入札事件後5年間の取り組み

状況を総括する冊子「5年目の新たなる決意~入札事件を風化させない~」を平成20年

11月に作成した。

この冊子は、巻頭に清水市長、越川副市長、大霜副市長、澤教育長の決意文を掲載する

とともに、入札事件の概要、事件直後の市の総括報告、事件当時の市長による総括追加説

明、事件後の「立川市入札事件再発防止調査委員会」や「契約制度等検討委員会」の活動、

「コンプライアンス体制の確立に向けた取り組み」についてまとめたものである。

(5) コンプライアンスの現状分析及び対策

平成23年度には、育児休業者からの預り金に多額の不明金を発生させた職員と東京都

市町村職員共済組合から旅行補助金を詐取した職員の2名が懲戒免職となった。

同一年度内に、不祥事によって2名の懲戒免職者が出たということは、コンプライアン

スの取り組みに未だ課題があり、その改善には民間の知見が必要であると判断し、平成2

3年度に三菱総合研究所による「コンプライアンス推進支援事業」を実施した。

以下の調査等を踏まえて平成24年3月に最終報告が出された。

ア 調査内容

(ア) 立川市規定類調査(平成23年9月~平成24年2月)

立川市のコンプライアンスに関する各種規定類についてドキュメント調査およびヒ

アリング調査を適宜実施し、本調査の基礎資料とした。

特に、入札契約制度については極めて堅牢なコンプライアンス遵守体制が構築され

ていることを確認した。

(イ) 市職員ヒアリング調査(平成23年9月)

立川市職員66名を対象として三菱総合研究所調査員のみによるグループインタビ

ュー(16セッション)を実施し、職員のコンプライアンスに関する意識等を調査し

た。実態把握を目的としているため個別の証言については非公開とすることを前提に

調査を行った。

(ウ) コンプライアンス・業務点検月間支援(平成23年11月)

コンプライアンス・業務点検月間の施策の企画等の支援を行った。課長研修を行い、

課内研修を通じて課員へのコンプライアンス意識の浸透を課長が主体的に実施するよ

う依頼した。課内研修においては、①現場のコンプライアンスに関する懸念事項(不

明点の確認等も含めて幅広く)、②ルールの改善提案、の2テーマについて課内職員に

て検討することを依頼した。その結果、コンプライアンスに関する懸念とルールの改

善提案を数多く収集することができた。また別途、内部通報窓口を弾力的に運用(匿

名可、窓口の複数化)し、1か月間で4件の情報が得られた。

(エ) 業務内容調査(平成23年12月)

立川市の各職場における業務内容について、課単位でのアンケート調査を実施し、

業務に関するコンプライアンスリスクの概況を把握した。

(23)

三菱総合研究所職員による業務現場への訪問(5か所:業務内容調査の結果を踏ま

えて選定)を行い(人事課職員同行)、実務状況に関するヒアリング調査を実施した。

実態把握を目的としているため個別の証言については非公開とすることを前提に調査

を行った。

(カ) コンプライアンス対策推進WG運営(平成23年8月~平成24年2月)

立川市の中堅職員7名によりコンプライアンス対策推進WGを組織し、本調査研究

の検討支援を行った。主に、コンプライアンス違反に関する根本原因分析を実施した。

このほか、職員コンプライアンス推進委員会、職員倫理審査会への出席と進捗報告

等を適宜実施した。

イ 調査結果

調査の結果、本市のコンプライアンスの水準は、平成15年の入札事件を受け、入札・

契約業務を中心として様々なルール・対策・委員会が設置・明文化され、人事課主導で

研修をはじめとする施策を講じている等、コンプライアンス遵守の浸透が進んでいる。

しかしながら、現場では一部のコンプライアンスのルールに対する納得感が得られてお

らず、ルールと実態の軽微な乖離を示唆する証言が複数得られた。また平成23年度に

はコンプライアンス・業務点検月間の直後に個人情報盗難事件が発生しており、課長等

ラインを通じた現場リスクの把握と管理が十分に機能していないという現状が露呈した。

これらの状況を踏まえて、立川市のコンプライアンスマネジメントの状況については『受

動的』状態と結論付けられた(表3参照)。

表3 組織マネジメント成熟度レベル

レベル 区分名 概 要

5 創造的 取り組みと業務が一体化し常に創造的な改善が図られている。

4 積極的 取り組みがPDCAサイクルに基づき継続的に改善されている。

3 体系的 取り組みが明確な目標・計画に基づき一通り実施されている。

2 受動的 取り組みが受動的に実施されており十分な結果を伴っていない。

1 放縦的 取り組みが殆ど実施されていない。

また、本市のコンプライアンス上の課題を解決するための対策として、「現場業務の実

態把握の徹底とルールの納得感向上」、「職員一人一人に届く組織的啓発支援体制の構築」、

「コンプライアンスマネジメントの統括機能の明確化」の三つの施策のもと、11の具

体的な取り組みが提示された。

(6) コンプライアンス強化策

ア 強化策の決定

三菱総合研究所の最終報告を踏まえ、市は以下のとおりコンプライアンス強化策を平

(24)

表4 コンプライアンス強化策

施策1:現場業務の実態把握の徹底とルールの納得感向上

取組1―1:コンプライアンスFAQの整備

取組1―2:既存ルールの改定または納得感の向上

取組1―3:体系的コンプライアンスリスクマネジメント

取組1―4:入札・契約コンプライアンス関連委員会の見直し

施策2:職員一人一人に届く組織的啓発支援体制の構築

取組2―1:コンプライアンス研修の拡充

取組2―2:E-Learningシステムの導入

取組2―3:管理職研修(リーダーシップ)の強化

施策3:コンプライアンスマネジメントの統括機能の明確化

取組3―1:コンプライアンス推進担当者の設置

取組3―2:匿名相談窓口の設置

取組3―3:外部監査機能の活用

取組3―4:リスク統括部門の設置

イ 強化策の進捗

現時点でのコンプライアンス強化策の進捗状況は以下のとおり。

なお、「取組1―4:入札・契約コンプライアンス関連委員会の見直し」、「取組3―2:

匿名相談窓口の設置」、「取組3―3:外部監査機能の活用」については、現時点では未

着手となっている。

(ア) 1―1:コンプライアンスFAQの整備、1―2:既存ルールの改定または納得感

の向上、1―3:体系的コンプライアンスリスクマネジメント

平成23年度のコンプライアンス・業務点検月間において各課から提出された、「各

課の業務におけるコンプライアンス上の課題」や「コンプライアンスルールの改善提

案」のうち、本市の対策が不十分で不祥事が起こった場合に市民等に与える影響が大

きいと考えられる「個人情報管理」、「金銭管理」等について、コンプライアンスFA

Qとコンプライアンスルールの改善案となる一定の考えをコンプライアンス推進部会

でとりまとめ、職員倫理審査会からの意見を聞いた。

今後、職員倫理審査会からの意見も踏まえ、内容を修正した上で平成25年度中に

周知していく。

(イ) 2―1:コンプライアンス研修の拡充、2―3:管理職研修(リーダーシップ)の

強化

コンプライアンス研修の拡充については、平成24年7月に、正規職員だけではな

く、再任用職員、嘱託職員を含めた約1,700名を対象としたコンプライアンス研

修を実施した。研修の冒頭に、理事者がコンプライアンス確保についての決意を表明

するとともに、研修内容を管理職と一般職に分け、具体的事例を題材にケーススタデ

(25)

また、平成24年度のコンプライアンス・業務点検月間では、本市で実際に起こっ

た事例を題材に、その原因と再発防止策を「M-shell」モデルによって分析する事例研

修を全ての職場で実施した。

コンプライアンスを保持するためには、職員全体のコンプライアンス意識を一定水

準以上に保つ必要があり、意識啓発には研修は有効な手段である。研修内容をより効

果的なものとしながら今後も様々な研修を継続的に実施していく。

(ウ) 2―2:E-Learningシステムの導入

職員の都合に合わせて自席で繰り返し学習でき、個人ごとに学習の進捗管理が行え

るE-Learningシステムは職員の知識や意識の向上に有効である。

平成24年度のコンプライアンス・業務点検月間では、複数の質問に順次回答して

いくことによって「立川市職員倫理条例・規則」の理解が深まるような学習用教材を

パワーポイントで作成し、各職員が自席で研修を行った。

E-Learningシステムについては、ハード、ソフト両面の整備が必要で費用が高額な

ことから、コンプライアンス研修以外にも活用範囲を拡大して、費用対効果に配慮し

た中でシステム導入を検討していく。

(エ) 3―1:コンプライアンス推進担当者の設置

現場のコンプライアンスの実態を的確に把握することは、コンプライアンス確保に

は不可欠であり、また、コンプライアンス施策を現場に徹底させるためには、コンプ

ライアンスを統括する部門からコンプライアンス施策が直接現場に届く仕組みが必要

である。

平成24年9月に、各課の係長1名をコンプライアンス推進員に任命して、現場と

コンプライアンス統括部門を直接つなぐ役割を担わせるとともに、推進員同士の情報

交換や情報共有を行うコンプライアンス推進員連絡会を発足させた。

今後は、これらの仕組みを有効に活用して、コンプライアンス施策の徹底をさらに

推進していく。

(オ) 3―4:リスク統括部門の設置

平成24年度までは、人事課人事係がコンプライアンスを統括してきたが、平成2

5年度からは、人事課人材育成係に1名増員した上で、コンプライアンスに関するリ

スク統括機能を移管し、機能強化を図った。

ウ その他の取り組み

平成24年度以降、コンプライアンス強化策のほか、コンプライアンス保持のために

以下の取り組みを行った。

(ア) 風通しの良い、情報共有された組織確立への取り組み

コンプライアンスを徹底するためには、各課におけるコンプライアンス上のリスク

を課全員が共通認識し、課全体として対応する必要がある。その前提としては、風通

しが良く、情報共有された職場を実現しなければならない。その第一歩として、平成

24年9月から全ての課で朝礼を実施することとした。

(26)

課の業務上のコンプライアンス課題等について気付いた職員が発表する等、職員全員

が参加できるよう各課で工夫をしている。

(イ) コンプライアンスに関する危機事案の周知

コンプライアンス上の課題を全庁的に共有し、コンプライアンスに関する事件・事

故の発生を抑止するほか、職員のコンプライアンス意識の向上を図るために、平成2

5年7月から、危機管理対策室(生活安全課)に提出された危機事案のうち、職員の

コンプライアンスに関連する事象を掲示板に掲載するとともに管理職、コンプライア

ンス推進員に通知するほか、朝礼で課長が口頭により職員周知を図ることとした。

また、上記事案と同様な事案を起こさないよう、庁内で検討した各事案の再発防止

策、「『危機情報連絡票』事例集」をコンプライアンス推進員をとおして周知して、各

課の取り組みに活かしている。

3 入札・契約制度改革

入札事件以降の入札・契約制度改革の主な取り組み内容は以下のとおりである。

(1) 公共調達基本方針の策定

競争性、公平・公正性、透明性、客観性を重視した入札・契約制度の実現に向けて、市

の公共調達についての基本理念を規定するものとして、平成16年10月1日、立川市公

共調達基本方針を策定し、品質とコストを重視した調達を行う旨明記した。

立川市公共調達基本方針

平成16年10月1日

(目的)

第1条 この基本方針は、立川市契約事務規則(昭和39年立川市規則第15号)に基づく契約

の締結( 以下「公共調達」という。)にあたり、市にとって最も価値の高い公共調達を実現す

るための基本的な方針(以下「基本方針」という。)について必要な事項を定めることを目的と

する。

(基本理念)

第2条 公共調達にあたっては、平等な競争機会の確保を図るとともに、厳正にして公平に行う

ものとし、すべての関係法令を遵守する。

(基本方針)

第3条 公共調達の実施にあたっては、一定のコストに対して最も価値の高いものを調達するも

のとし、価格及び品質を優先する。

(特別配慮基準)

第4条 公共調達の実施にあたって特別に配慮する必要がある場合は、細目を別に定める。

附 則

(27)

(2) 競争入札参加事業者倫理綱領の策定

法令遵守、公正で自由な競争、品質向上のための努力、地域社会への貢献、環境への配

慮といった、市が行う競争入札に参加しようとする事業者が遵守すべき事項を定めた倫理

綱領を策定するとともに周知を図った。

(3) 基準・ガイドライン等の整備

市の入札制度について、本来の制度主旨を踏まえた運用ができていない例が、入札事件

再発防止調査委員会の専門委員である監査法人の調査で検出されたことから、内部統制を

図るため、実務的な各種基準・ガイドラインの策定及び見直しを行うとともに運用の厳格

化を図った。主なものは次のとおりである。

ア 立川市条件付き一般競争入札実施要綱及び同基準、立川市電子入札実施要綱、立川市

物品契約に係る電子による条件付き一般競争入札に準ずる競争見積合せ実施基準、立川

市年度開始前準備行為に係る電子による条件付き一般競争入札に準ずる競争見積合せ試

行実施基準の策定

従前の、指名競争中心の入札制度から、電子を活用した公募型の入札制度に移行する

ため、具体的な手続きを定めた要綱及び基準を策定した。

イ 立川市競争入札等参加停止基準の見直し

入札等に係る不正行為の排除の徹底及び恣意性を排除し客観的な実施を担保するため

に必要な見直しを行うとともに、参加停止期間の上限を2年から3年に延長した。

ウ 立川市談合情報対応マニュアルの見直し

談合情報等があった場合の手続きの流れや対応方法等を具体化し、入札の各段階にお

ける談合情報等に対して的確に対応できるように見直した。

エ 特命随意契約ガイドラインの見直し

特命随意契約とした根拠を明確にすることや、理由の適否を財務部長が判断すること

を規定し明文化した。

オ 立川市単価契約工事実施要領及び立川市単価契約建設系委託実施要領の策定

工事及び建設系委託の単価契約についての取扱いや業務1件あたりの指示限度額等を

定めることにより、単価契約の運用の適正化を図った。

カ 立川市プロポーザル方式による契約事務運用ガイドラインの策定

業務の特殊性から、企画力、技術力、創造性、専門性、実績等価格以外の要素を総合

的に判断することにより、当該業務に最も適した受注者を選定するプロポーザル方式に

ついて、ガイドラインを策定した。

キ 立川市工事成績評定要領、立川市請負工事に係る委託業務成績評定試行要領の策定

市が発注する工事及び設計、測量等の建設系委託について、受注者の適正な選定と指

導育成のための成績評定を実施するための手続きを定めた。

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